デンマークの教育制度
講演の内容で一貫して述べられていたのは、デンマークのような小さな国(日本に対して人口は22分の1、面積は7分の1)は、
いかに国民が皆生産性高く働いて心配のない暮らしができるようにするか、ということを実践しているということです。
それは教育にもよく現れており、一人ひとりが生まれ持った才能(方向性)をきちんと伸ばして就労するためのシステムになっています。
たとえば、10歳になるまでは遊ぶことを中心にして、通信簿はなく学力の競争はありません。夏休みにも部活・宿題はなく、
子供は自分の能力や才能を見出すことに専念します。
また、教育費は無償なので、医者でも大工でも望む仕事に向かって誰でも教育を受けられます。
そして資格を取って、職につけば職業組合が決めた給料が保証される仕組みです。
キャリアアップを望めば、教育を受け直し、資格を取り直せばよいのです。
興味深い点が2つありました。
一つは、福音ルーテル教(プロテスタント)が国教に定められており、小学校から国教に則った倫理を学ぶということです。
答えのないような人生の問題について生徒同士で話し合い、個人主義、民主主義を身につけるようです。
もう一つは、政治教育を早くから開始していることです。
政治政党は中高生を会員とするジュニアクラブを持ち、学校の中でジュニアクラブの生徒への選挙が行われることです。この結果が国政選挙をも占うとされるそうです。
政策の違いを議論し、意見を持ち、投票するという民主主義の仕組みを身につけると同時に次世代に国を引き継ぐ準備と位置づけているようです。
教育費は小学校~大学まで無償です。教育費及び就学中の学生全員に国庫から生活費が支給されます。
すべての19歳以上の国民は国家が生活を保証する仕組みです。
次回はエネルギーについて書きます。
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